学術ニュース&研究トピックス

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2017年  2月 9日

南極ドームふじ アイスコアによる気候変動解析

 理学部 植村准教授らの研究グループによる南極ドームふじのアイスコアによる気候変動解析の論文が2報出版されました(詳細は各々のリンク先へ).

過去72万年間の気候の不安定性を南極ドームふじアイスコアの解析と気候シミュレーションにより解明

 State dependence of climatic instability over the past 720,000 years from Antarctic ice cores and climate modeling.  Science Advances, 3(2): e1600446.

南極ドームふじ・ドームCアイスコアの降雪堆積率比を精密決定

 Climate dependent contrast in surface mass balance in East Antarctica over the past 216 ka.  Journal of Glaciology, 62(236):1037–1048.

 

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2017年  1月 30日

有孔虫の炭酸カルシウム殻形成は水素イオン排出がカギ 〜海洋酸性化に対する予想外の耐性〜

 理学部 藤田和彦教授らの研究グループは,海水の pH分布を 顕微鏡下で可視化する手法を開発しました.そして,この手法を用いることで,有孔虫という 1mm に満たない海洋の単細胞生物の一種が,環境の pH によらず水素イオンを排出することで,炭酸カルシウムの殻を形成していることを突き止めました.また,海洋酸性化を模した実験条件においても同様の現象を伴って形成が観察されました.世界的に環境影響評価の指標として有効に利用されてきた有孔虫においては,海洋酸性化に対しての応答が注目されていますが,一定の耐性のある種類の存在及びそのメカニズムの一端が明らかになりました

掲載誌:Nature Communications (2017年1月27日オンライン版)

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2017年  1月 19日

サンゴの骨格形成の高精度な可視化に成功 –サンゴは能動的に体内のpHを調整して成長する–

写真:沖縄県石垣市(石西礁湖)のサンゴ群集(2006年6月:中村崇 撮影)

 理工学研究科 大学院生の大野良和さん(指導教員・中村 崇 理学部 准教授)をはじめとする研究グループは,サンゴが骨格を作る際の細胞群の動きを世界で初めて詳細に捉えることに成功しました.この成果は,生きたサンゴが体内の環境を最適な状態にしながら骨格を作る様子を報告しつつ,これまでの定説に疑問を投げかけるものです.将来的には,この知見を基に,骨などの硬組織の形成メカニズムの進化過程をより深く理解するための研究展開が期待されます.さらに,今後,サンゴがどの程度の海水温上昇や海洋酸性化などの環境問題に対応可能なのかを,細胞・組織レベルで明らかにする上で重要な知見になります.

掲載誌:Scientific Reports(2017年1月18日オンライン版)

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2016年10月 24日

小島嶼地域の自律的発展 Self-determinable Development of Small Islands

 国際沖縄研究所による研究プロジェクト「新しい島嶼学の創造-東アジア・オセアニアと日本を結ぶ基点としての琉球弧」(文部科学省概算要求事業,2011~2015年度)の研究成果の一部を一冊の本にまとめました.本プロジェクトでは沖縄をはじめとする小島嶼地域の諸課題について様々な分野から多角的に研究し,問題解決策を模索してきました.本書には,現代において広域化・複雑化する他地域との関係性のもとでの小島嶼の自律的・持続的発展の可能性について考察した16編の論文を掲載しています.

題名:Self-determinable Development of Small Islands

出版社:Springer     ISBN:978-981-10-0130-7, 978-981-10-0132-1 (e-Book)

編者:Masahide Ishihara, Eiichi Hoshino, and Yoko Fujita

  (石原昌英,星野英一,藤田陽子)

  研究トピックス

2016年 9月 13日

グアム島のサンゴより捉えた20世紀の原水爆実験により生じた炭素14の濃度変化

 理学部の浅海竜司 准教授らが,アメリカ地球物理学会出版の「Journal of Geophysical Research (Oceans) 誌」に発表した論文が,同誌のハイライト論文に選ばれました.

(論文タイトル)Bomb-produced radiocarbon in the western tropical Pacific Ocean-Guam coral reveals operation-specific signals from the Pacific Proving Grounds.

 この論文は,グアム島のサンゴの骨格に取り込まれた炭素14を調べ,20世紀の原水爆実験により生じた炭素14の濃度変化を超高時間解像度かつ高精度で捉えた研究です.この結果に基づき,太平洋における核実験生成物の移動パターンも推定されました.

 本研究で明らかにされた炭素14の濃度変化は,比較的長生きする海洋生物の年齢の決定にも応用できると期待されます.

 

写真:サンゴの掘削の様子

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  研究トピックス

2016年 9月 9日

ミドリイシ属サンゴの受精を介した生き残り戦略の一端を解明

写真:ミドリイシ属サンゴ.

サボテンミドリイシ(左)と

トゲスギミドリイシ(右)

 ミドリイシ属サンゴは,複数種が同調して卵と精子を放出します.産卵後,海中には複数種由来の卵と精子が混在していると予想され,種を保つ(生殖隔離)には同種の卵と精子が受精する必要があります.

 しかしながら,今回,熱帯生物圏研究センターの大学院生 北之坊誠也さんと守田昌哉准教授らの研究チームは,ミドリイシ属サンゴの配偶子が条件により交雑を選択する可能性を示しました.これは,サンゴの被度が減少し放出される配偶子が減少した際に,他種の配偶子間で受精を選択する可能性を示しています.

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2016年 6月 9日

かつてない広域的大規模サンプルのDNA分析でわかったアユの地域差

 かつてない広域的大規模サンプルのDNA分析により,日本列島のアユに明瞭な地域差のあることが初めて分かりました.

 本研究は琉球大学の西田睦理事・副学長や総合地球環境学研究所(地球研)の武島弘彦特任助教らの研究チームによって進められ,日本全国120地点からの4746検体という大規模サンプルの分析により明瞭な地域差が判明しました.

 簡単には目に見えない小さな遺伝的地域差を検出するために,広域的で大規模なサンプル分析が非常に有効であることが実証され,他の生物でも実施が期待されます.

 

写真:日本列島のアユ

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2016年 5月20日

写真:沖縄島北部の林床を這うガラスヒバァ.

中琉球と南琉球はやっぱり陸続きだった?

 近年,今日見られる琉球列島の固有種の多くは,中国大陸の別々の地域から異なるタイミングで渡来し,その時期には中琉球(奄美・沖縄諸島)と南琉球(八重山諸島・宮古諸島)は陸続きではなかったという説が有力でした。

 しかしながら,琉球大学 理工学研究科 大学院生の皆藤琢磨さんと熱帯生物圏研究センターの戸田 守 准教授によって,ヒバァ類と呼ばれるヘビの仲間の遺伝子を解析したところ,上述の説とは異なり,中琉球と南琉球は陸続きであった時期があり,その頃にヒバァ類は中琉球から南琉球へと分布を広げた可能性が高いということが明らかになりました.

詳しくはこちらから

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2016年 1月28日

日本人の2型糖尿病に関わる新たな遺伝子領域を発見〜新たな治療薬開発の一助に〜

写真:前田士郎教授(左)と今村美菜子准教授(右).

 日本人の2型糖尿病(生活習慣などの環境要因とともに遺伝要因が発症に関与する糖尿病)の発症に関わる7つの疾患感受性遺伝子領域を新たに同定し,疾患感受性遺伝子領域内の遺伝子と2型糖尿病治療薬のターゲット遺伝子とのつながりを調べることで,新規治療薬候補を同定しました.

 本研究は,琉球大学大学院医学研究科の前田士郎教授(理化学研究所統合生命医科学研究センターチームリーダー),今村美菜子准教授(理化学研究所統合生命医科学研究センター客員研究員)と東京大学の門脇孝教授らの共同研究チームにより,日本人4万人以上を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS)によって明らかにされたものです.

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2015年11月17日

魚類ゲノム進化3億年の謎に迫る

 魚類の中心的グループである真骨魚類(約2万6千種)では,3億年前にゲノム(全遺伝情報)がいったん全て倍になったあと,コピーされた遺伝子がまとまって欠失して,急速に今のような姿のゲノムに再構成されたことが,琉球大学の西田睦理事・副学長がリーダーを務める研究チームによって明らかにされました.このイベント後に真骨魚類は爆発的に多様化していくことになります.

 

写真:観賞用のヒメダカ.メダカは進化研究のモデル生物です.

(撮影:前田健 沖縄科学技術大学院大学 研究員)

  研究プロジェクト紹介

2015年9月9日

とんがり研究プロジェクト

 琉球大学の「とんがり」研究分野とは,研究力分析データに基づいて選ばれた「島嶼・海洋」「熱帯・亜熱帯」「健康長寿」「琉球・沖縄文化」の特色のある4つの分野のことです.今年から,6名のプロジェクト研究代表者が選ばれ,それぞれの研究プロジェクトがスタートしました.研究プロジェクトの詳細については,下のボタンをクリックしてください.

写真:沖縄島真栄田岬のサンゴ

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2015年7月31日

写真:(左)ムラサキシジミの成虫,(右)その幼虫と付き添うアミメアリ

イモムシはアリを薬で操って

ボディーガードをさせていた

 シジミチョウの幼虫(イモムシ)は,共生するアリに分泌物の「蜜」を与え,その「蜜」でアリの脳内物質の働きをおさえ,これによってアリをボディーガードに仕立てて操っていたことが,琉球大学の辻瑞樹(ペンネーム 和希)教授らによる研究チームによって明らかになりました.

  お知らせ

2015年7月31日

琉球大学の研究紹介ページを始めました

 琉球大学の公開されたばかりの研究を紹介する学術ニュースや,成果をまとめた研究トピックスなどをこのページでは紹介していきたいと思います.

 今後の研究成果の紹介に,ご期待下さい.

 

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